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読売新聞 全国版 平成18年8月16日 (伊藤剛寛)より抜粋  紙面はコチラ 転載許諾済

「おやじの会」族揚げ続々もう「影が薄い」とは言わせない…

 父親による地域活動グループ「おやじの会」が見直されている。子どもを巡る事件が相次いでいることを背真裏に、親子の交流に加えて防犯を重視した活動が増えている。会の新設、ネットワーク化も進む。地域での影が薄かった父親たちが今後どこまで存在感を示せるか、注目される。           

 「すごい。よく飛んだでしょう」。手作りした竹製の水鉄砲を試し撃ちして、子どもが歓声を上げた。 7月下旬の土曜日、千葉市稲毛区の市立草野小に、地元の父親6人と小学生ら約20人が集まり、水鉄砲作りを行った。「草野小おやじの会」(白石靖代表)のメンバーが、知人宅で材料の竹を調達、作り方はネットで調べ、子どもたちに教えた。大人も子どももずぶぬれになって楽しんだ。

 同会の会員は会社員など約40人。学校の側溝の清掃、運動会の運営支援、バザーヘの出店などのほか、随時飲み会も行っている。白石さんは「付近はマンションが相次いで建設され、新しい住民が多い。父親同士や子どもとの交流を深めるきっかけが必要。今後は子どもの安全にかかわる活動を増やしたい」と話す。

 水鉄砲作りを行った日は、夜も地元の夏祭りのパトロールをする大車輪の活躍。5月には、「さがそう! こども110番の家」というイベントを実施。子どもが犯罪に巻き込まれそうになった時に緊急避難できる店舗などを約100人の親子が訪ね、店の人らと会話を交わした。万一の時、なるべく子どもが戸惑わないように、という狙いだ。 「子どもに気軽に声をかけられる大人を目指し、できるだけ顔見知りの子どもを増やしたいですね」と白石さん。

 「おやじの会」は現在全国に数千あると見られる父親の地域活動グループの総称。活動の内容は、キャンプやバーベキューなど親子のイペント、学校行事への協力などが中心だったが、最近は防犯、防災関連が増えているようだ。

 大阪府箕面市の「箕面おやじの会」は6月、地元の小学校で1年生を対象にした防犯教室を初めて開いた。授業時間を利用し、物語仕立てで「知らない人についていかない」「大声で助けを求める」ことなどを示した。「父親たちが楽しみながら活動することで、子どもたちはより地域に安心感を持てる」と同会。

 ほかに、「防災訓練を兼ねたキャンプ」 (神奈川県厚木市)、「自前のパトロール専門車で校区の見回り」 (福岡市)などの工夫を凝らした活動が各地で行われている。

一昨年には、全国のおやじの会の交流を支援する「おやじ日本」 (東京)が設立された。今年から、登下校の時刻に当たる午前8持と午後3時に、子どもを見守ろうという「83(ハチさん)運動」を提唱。大人が通勤や外出時などに子どもに気を配ることで、防犯につなげたい考えだ。 今年6月に横浜市で開かれた「おやじ日本全国大会」には約500人が参加。合わせて神奈川県内の会のネットワーク「おやじ神奈川」も旗揚げされた。「他の会の活動を知ることで、自分たちの会の運営の参考にできます」 (おやじ日本事務局)

 おやじの会についての調査を行い、メンバーでもある東北大学教育学部助教授の橋本鉱市さんは「父親たちは職場以外の自分の居場所を探し始めている。これまで地域に対して消極的だったことへの反省や、定年後の居場所の確保という面もあるようだ。防犯効果は、会の目的というより、活動した結果として表れるものと考えれば、より柔軟な連携が保てるのでは。会社のように頑張りすぎず、出来ることをするのが長続きさせるポイントです」と話している。

 


箕面おやじの会トップ > 平成18年読売新聞記事

 

 

 

 

 

 

 

 

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